通信制高校を卒業するのは難しいという印象を持っている人も、多いかもしれません。実際、通信制高校を卒業するのは、どれくらい難しいものなのでしょうか?このページでは、通信制高校を卒業するための要件・年数から、レポートやテストなど卒業するまでの学習面を、詳しく解説します。
通信制高校を卒業するための要件・年数
通信制高校を卒業するための要件は、大きく分けて3つあります。「①3年以上の在籍期間、②74単位以上の修得、③30時間以上の特別活動への参加」の3つです。ここからは、この3つの要件に関して、詳しく解説していきます。
▊3年以上の在籍期間
学校教育法で「高等学校の修業年限は3年以上」と定められているため、高校卒業資格を取得するためには、最低でも3年間以上、高校に在籍する必要があります。通信制高校においても、必要な単位をどれだけ早く修得したとしても、1年間や2年間の在籍では卒業することができません。ただし、全日制高校から通信制高校に編入・転入した場合は、前の学校での在籍期間も合算されるため、3年以下の在籍でも通信制高校を卒業できます。
▊74単位以上の修得
通信制高校を卒業するためには、74単位以上の修得も条件となります。規定回数のレポート提出とスクーリングを経て、単位認定試験に合格することで、単位を修得することができます。また、全日制高校から通信制高校に編入・転入した場合は、前の学校で修得した単位を合算することができます。
▊30時間以上の特別活動への参加
通信制高校を卒業するためには、30時間以上の特別活動への参加も必須事項となります。特別活動とは、授業以外の活動(修学旅行や文化祭などの学校行事、ホームルームなど)のことです。特別活動が含まれるスクーリングもあるので、そのような場合はできるだけ参加した方が良いでしょう。
通信制には編入学生・転入学生が多い?
通信制高校に在籍する人の約半数は転入・編入学生です。転入・編入に対してマイナスなイメージを持っている人も多いかもしれませんが、通信制高校ではごく一般的なことです。通信制高校は全日制とは異なり、いつでも転編入できることから、転入・編入学生の割合が多くなっています。
通信制高校を卒業するために必要な勉強の流れ
通信制高校では、「①自学自習、②レポートの提出、③スクーリング、④テスト(単位認定試験)」を繰り返し行い、単位を修得します。ここからは、通信制高校を卒業するために必要な勉強の流れについて、詳しく解説していきます。
▊自学自習
通信制高校に通う生徒の学習の基本は、自学自習となります。学校で用意されたテキストや動画を使って、自分で学習を進めていきます。
▊レポート
学習内容に関連するレポートを作成し、郵送やメール・インターネットなどを用いて学校に提出します。レポートは、自学自習の習熟度を測ることを目的としています。
▊スクーリング
学校に登校し、直接指導を受けます。自学自習で生じた疑問点などは、スクーリングの際に解消しておきましょう。
▊テスト(単位認定試験)
これまで学習してきた内容が、比較的広く浅く出題されることが多いです。単位認定試験をクリアすると、単位を修得することができます。また、レポートを提出しなかったり、スクーリングに行かなかったりすると、単位認定試験自体の受験資格がなくなってしまうこともあります。単位修得のためにも、レポートは欠かさずに提出し、スクーリングにはしっかりと参加しましょう。学校に登校し、直接指導を受けます。自学自習で生じた疑問点などは、スクーリングの際に解消しておきましょう。
通信制高校を卒業するのは難しい?
通信制高校を卒業することは、全日制高校を卒業するよりも、学習内容の難易度としては簡単です。それでも、通信制高校を卒業するのは難しいという声をよく聞くのはなぜなのでしょうか?実際に、全日制高校の卒業率は99%程度なのに対し、通信制高校の卒業率95%前後と、全日制高校の卒業率よりも僅かに下回っています。(引用: 高等学校通信教育の現状について )
通信制高校の卒業率が僅かに低くなっている理由は、主に自学自習の難しさにあります。通信制高校の生徒は、自分で勉強を進める必要がありますが、自学自習に苦手意識を持ってしまう人もいます。レポートや単位認定試験の難易度は易しめですが、自学自習の効率が悪かったり、サボり癖があったりすると、難易度が高く感じてしまうようです。自学自習がうまくいかずに難しく感じてしまい、挫折してしまう人がいることが、卒業率の僅かな低下に繋がっています。
また、登校日数が自分に合わずにスクーリングに参加できなくなってしまう人、レポートをうまく消化できない人も少なからずいるようです。そこで、一つひとつの単位認定試験をしっかりとクリアし、74単位を修得するためには、綿密な学習計画が必要です。学校のカウンセラーに相談したり、通信制サポート校を利用したりしながら学習計画をしっかりと立てれば、通信制高校を卒業することは決して難しいものではありません。
また、通信制高校は、生徒の希望に柔軟に対応してくれます。「学習リズムが自分に合わない!」「やりたいことが変わったから、コースを変更したい!」など、このまま同じ状況で学習を進めることが難しそうな場合は、先生に相談してみましょう。スクーリング回数やコースなどの変更が可能な場合が多いです。
まとめ
通信制高校を卒業するための要件・年数などに関して詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?通信制高校では、自学自習を中心としてレポートをこなし、スクーリングに参加し、単位認定試験を受けるというサイクルが繰り返し行われます。このサイクルは各学校によって異なるので、自分に合ったサイクルの通信制高校を選ぶと良いでしょう。