通信制高校に興味を持っている人の中には、技能連携校にも関心がある人が多いでしょう。技能連携校では、社会に出た時に実践的で役立つ知識と技術を学ぶことができます。このページでは、技能連携校について詳しく解説していきます。
技能連携校とは?
技能連携校とは、技能連携制度を利用して、高等専門学校で学ぶ専門的な勉強をしつつ、同時に通信制高校にも籍を置くことで、ダブルスクールをしながら高校卒業資格を取得できる学校のことを指します。高等専修学校とは、世間一般的には”高専”と呼ばれている教育施設で、座学よりも実習が多く、将来の仕事に直結する実践的な職業訓練ができ、専門的な技術を習得できるのが大きな特徴です。技能連携校では、高等専修学校の専門的な技術や知識を学びながら、一般的な高校の勉強も行います。技能連携校の主な指定先は、技能教育の設備が整った高等専修学校が多く、ほとんどの場合、全日制と同じく週5日の登校が必要となります。通信制高校に通っていても、全日制と同じくらい登校回数が多くなるので、通信制高校の特徴である「時間の自由」はなくなってしまいます。ですが、技能連携校は通信制高校と併設されている場合が多いため、移動に時間や手間がかかることは少ないです。
▊技能連携制度って何?
技能連携制度は、各都道府県の教育委員会が指定する教育施設での一部の学習内容を、高校の授業の一部として認めるという制度です。高等専修学校に入学すると同時に、通信制高校にも入学することになるので、3年間で2つの学校を卒業することになります。技能連携校で学んだ専門科目は、最大半分まで通信制高校の卒業に必要な単位として認められます。そのため、専門科目を学びながら、効率的に高校を卒業することが可能です。
技能連携校の学費
通信制高校と技能連携校で、別途学費が発生します。技能連携校の学費は、各校によって違いがありますが、だいたい50万円から100万円程度が目安です。これは通信制高校に通う費用外にかかってくる金額ですので、注意が必要です。
技能連携校を利用するメリット
通信制高校に通いながら、高等専修学校にも同時に通うことで、高校卒業資格と専門技能の両方を取得できるのが大きなメリットです。「工業基礎」「工業数理」「プログラミング」「情報処理」「自動車工学」など、高等専修学校での専門的かつ実践的な授業と、通信制高校での高等教育を両立できる形となっています。また、技能連携校での勉強が通信制高校での単位として認められるため、「高等教育だけではなく、資格の取得や、社会で役立つ体験を効率良くしたい!」と思っている人におすすめです。
技能連携校と通信制サポート校の違い
技能連携校と通信制サポート校はどちらも、専修学校でもなく、高校でもありません。また、通信制高校と同時に入学するという点でも同じです。しかし、通信制サポート校は国からの教育機関としての認可がなく、技能連携校は国から教育機関として認可されているという点で、違いがあります。技能連携校が教育機関として認められるためには、教員数の多さや、施設の広さ、設備の充実度、職業に直結する教科が扱われているかなど、多くの項目で認可の要件を満たすことが条件となっています。また、通信制サポート校と比べると、技能連携校はそれほど数が多くありません。さらに、通信制サポート校での勉強は通信制高校の単位として認められませんが、技能連携校での勉強は通信制高校の単位として認められます。技能連携校で学習した分、通信制高校での学習量は軽減されます。
まとめ
技能連携校について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?技能連携校は、専門的な勉強をしながら、同時に高校卒業資格を取得できるという点で、非常に良い選択肢となります。高卒資格を取得しつついち早く社会に役立つ人材になりたい人、大学進学してより高度な専門分野を学びたい人は、技能連携校への入学を検討してみましょう。技能連携校と通信制サポート校で同じような専門科目がある場合があります。この場合「専門科目の授業が単位になるのだから高等専修学校の方が良い」と思う人がいるかも知れませんが、学ぶ「内容」や「目標・目的」が違うので必ずしもそう言い切れないのが現状です。そういった場合は実際にそれぞれの学校の説明会などに参加し、学校イメージや自分の目標をとしている事にそれぞれの学校がどれだけ「近い」のか確認してから決めた方が良いと言えるでしょう。