通信制高校への入学を検討している人にとって、学費は気になる部分ですよね。この記事では、通信制高校の学費について、私立と公立における学費の違いも含めて詳しく解説していきます。
▊通信制高校でかかる学費
通信制高校でかかる学費は、全日制高校と比べると非常に安くなっています。また、通信制高校の中でも、公立と私立で学費に違いがあり、公立が安く、私立は少し高めになっています。
◆公立通信制高校の場合
初年度は1〜3万円程度、3年間で10万円程度が目安となっています。
◆私立通信制高校の場合
年間18万円からの学校もあり、3年間で40万円から120万円程度が目安となっています。サポートの充実度や、取得単位数、スクーリングの回数などによって、値段が変わります。
▊公立と私立で学費が異なる理由
公立の通信制高校は、都道府県が設置しているため、国や都道府県の財源が投入されています。そのため、学費の負担は軽いものとなっています。私立の通信制高校は、株式会社や学校法人が運営しており、設備費や人件費もかかっているため、学費の負担は多少重くなってしまいます。
▊自学自習中心か、スクーリング中心かによって学費は変わる
通信制高校の学費は、自学自習中心か、登校(学習サポート)中心かによっても変わります。スクーリング(学習サポート)の日数が多くなればなるほど学費は上がります。私立の通信制高校における3年間の学費は、月2回登校で27万円、週1日登校で30万円、週2日登校で50万円、週3日通学で60万円、週5日通学で80万円が目安となっています。学校に通学し学習サポートを受けられる回数が多くなるほど、目安になる学費が変わっていくのが分かります。実際は各高校によって異なるので、スクーリング(学習サポート)の日数と学費はしっかりと確認しましょう。
▊学費が高いのに、なぜ私立の通信制高校の方が人気なのか
令和元年の通信制高校への入学者は、公立で12,133人、私立45,318人と、約7割の生徒が私立を選択しています。(「高等学校通信教育の現状について」令和2年 文部科学省)私立の通信制高校の方が、学費が高いのになぜ私立が人気なのでしょうか?私立の通信制高校には、公立の通信制高校にはない魅力がたくさんあります。
特に、学習内容やサポートが充実しています。様々な専門コースが設置されていたり、独自のカリキュラムが導入されていたり、生徒に寄り添った学習サポート・マンツーマン授業があったりなど、新しい形の教育を実践している場合が多いです。私立の通信制高校は、「生徒の糧となる、より良い教育」のためにお金を使っているのです。学費が高い分、より質の高い学習ができるため、教育面でのリターンが大きいと言えるでしょう。
▊通信制高校の学費を抑える方法
近年、通信制高校の学費を軽減できる、就学支援金や助成金などの制度が充実してきています。申請するだけで学費の負担を軽減することができるため、学校に相談し率先して利用しましょう。通信制高校側からは、入学前には各種支援金の説明を行い、入学後には書類にて手続きの案内を送るなど、各種支援金・助成金の利用を推奨しています。ご不明な方については個別で相談に対応しているので、学費面の相談は遠慮なくしましょう。
◆高等学校等就学支援金
高等学校等就学支援金とは、高校に通う生徒が学校を通して国に申請を出すことでもらえる、返還が不要の支援金です。通信制高校に通う生徒のうち、おおよそ半数以上の人が利用しています。高等学校就学支援金制度によって、金銭面を多少度外視して志望校を選択できるようになり、「本当に通いたい学校」に進学できる可能性が広がりました。
2020年4月からは、通信制高校では高等学校等就学支援金の上限が297,000円となり、年収590万円未満の世帯では、私立でも「実質授業料無償化」が実現されました。とはいえ、就学支援金を利用しても、教科書代や施設利用費などは自費で負担することになります。就学支援金を利用する場合でも、その他の諸経費を考慮して計算しましょう。
◆自治体の奨学金を利用する
「行きたい高校があるけど、就学支援金だけでは足りない!」という場合は、各都道府県が行っている無利息の助成金や、学校が参加している基金を利用することもできます。自治体によっては、「卒業すると返還免除」になる助成金もあります。住んでいる地域の奨学金は、自治体に質問すれば紹介してもらえます。どんな制度が適用されるか、募集対象に該当するかどうかなど、入学前に確認しましょう。
◆特待生制度を利用する
学業で特別な成績を修めていたり、部活動で全国大会に出場した経験がある場合は、「特待生」を目指すのも有効です。特待生制度を実施している通信制高校の場合、学費を抑えることができます。条件を満たせば、施設利用費が大幅に免除されたり、授業料以外の学費を一部免除してくれたりする学校も存在します。あなたが今頑張っている活動によって、特待生制度を受ける対象になるかもしれません。
▊まとめ
通信制高校の学費について詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?通信制高校の学費は、私立と公立で異なり、私立の方が高いということがわかりました。私立の通信制高校は、学費が高い分、より充実した教育を受けることができます。公立、私立ともにそれぞれの良さがありますが、学費面と教育面、どちらもしっかりと考慮して、目的に応じて選択できると良いですね。また、近年は学費を抑えることができる支援金や助成金の制度が充実しています。申請するだけで学費を軽減できるので、入学を考えている通信制高校にも問い合わせをして積極的に利用しましょう。