保護者の視点から、通信制高校を考える

今の通信制高校は、保護者の皆さんが高校生だった時代とは大きく異なります。今は、約17人に1人が通信制高校を選ぶ時代です。昔の通信制高校のイメージが強く、すんなりと受け入れられないという保護者の方もいらっしゃると思います。そのような方向けに、まず通信制高校の現状(いま)を知ってみませんか。「通信制高校は、不登校の生徒が行く学校」「通信制高校は、学力が足りなくて、全日制高校に通えない子のための学校」と、決めつけてしまっている保護者の方も多いようです。高校選択を機に、保護者自身が通信制高校の現状を正確に把握し、また、今一度お子様と向き合い、お子様自身がどうしたいのか理解してあげましょう。このページでは、保護者の視点から見た通信制高校の疑問について、詳しく解説します。

▊子供に通信制高校に行きたいと言われたらどうする?

冒頭でも述べた通り、今の通信制高校は、保護者の皆さんが高校生だった時代とは大きく異なります。お子様に「通信制高校に行きたい!」と言われた時に、通信制高校への偏見から、「とりあえず通信制高校はダメで、とにかく全日制高校に入った方がいい」と考えてしまうのは、お子様にとっては良い選択にならないかもしれません。通信制高校への進学を希望するお子様は、「中学校までは色々あったけど、高校からリスタートしたい。とはいえ、全日制高校で毎日通うのはハードルが高すぎて難しい。」と考えていることが多いです。お子様の現状をしっかりと把握して、現実的に考え、”通信制高校に進学し、しっかりと通い、学ぶところからスタートする”というのも、選択肢の一つとして考慮してみるのはいかがでしょうか。全日制高校、通信制高校関係なく、進学は何よりお子様に合った学校選びをすることが重要です。「入学後にしっかりと学び、高校卒業資格を取得し、資格によって得られるその先の進路を見つけ、独り立ちしていくこと。」が大切なのです。

◆通信制高校は、生徒の意思を尊重できる「自分仕様の学校」
通信制高校では、好きな時間に、自由なペースで勉強でき、思った通りの学びができるというメリットがあります。基本的には少人数クラスで、手厚いサポートがあるのも魅力です。しかし、これは時間の管理を生徒自身でしっかりしなければいけないという面もあります。それぞれの学校でサポートは充実してきていますが、自立した学習は必要になってきます。これをデメリットに感じられる保護者の方もいらっしゃるかもしれませんが、結局、社会に出たら自分で立たなければいけないのも事実です。「通信制高校では、高校生のうちから自立心を養うことができる」という見方もできます。「お子様が1人で学習を進められるか不安」と感じている方は、より細やかなサポートをしてくれる通信制サポート校も検討しましょう。

◆最近は、学びに敏感な方も通信制高校を選んでいる
「もっとハイレベルな勉強をしたい!1限から7限まで決められた時間割で勉強するのは時間がもったいない!」「時間割を自分で作り、高校卒業のための勉強は必要最低限にして、効率良く志望大学合格を目指す。」と考える、いわば早熟で自立した、天才型のお子様も一定数います。自分で学習を進めることができる生徒にとっては、全日制高校の授業形態が足かせになってしまう場合もあります。個別最適化教育の時代、行きたい大学が決まっている場合は、通信制高校で高校卒業の資格をサクッと取って、自由に使える時間で集中的に大学入試の準備することも選択肢の一つです。

▊通信制高校を選ぶ上で、どんな事を基準に一緒に考えてあげるべきか

まず、「お子様の本当の意見」を聞いてあげることが重要です。どこまでいっても中学生、高校生の一番の相談相手は保護者です。(通信制高校に通う生徒のアンケートでも中学生時代から現在まで自分の一番の相談相手は保護者と回答しています)まずは、お子様の正直な意見を引き出し、受け止めてあげましょう。もしかしたら、保護者が発している言葉が、お子様を追い詰めてしまっているかもしれません。お子様は今、若く、多感な時期です。本人の意見を拒否してしまうと、本人の行き場がなくなります。「何を言うか」より、「どう言うか」が重要です。“「何がしたいの?」と聞かれると困る。そんな時代が、保護者にもあったのではないでしょうか。そのような時は逆に、「したくないことは何?」と、消去法で進路を決めるのも良いかもしれません。「自分の子だから」と焦ってしまう部分もあるかもしれませんが、お子様はまだ10代半ばで、自分だけの力で人生の選択をするにはまだまだ未熟です。保護者のサポートが必要な時期なので、優しく寄り添ってあげましょう。本音を言える環境を作ってあげること、小さな変化に気づいてあげることを意識すると、お子様の気持ちが見えやすくなるかもしれません。どこまでいっても「子供は私自身(保護者)ではなく、別人である。」という事も念頭に将来像を一緒に探してあげてください。

◆通信制高校を有力な選択肢としてひとまず捉える
「絶対に全日制高校に入れる!」と焦らないであげてください。お子様の将来のための最善の選択は、通信制高校に進学することかもしれません。まず、現在のお子様の登校状況を考慮しましょう。現在、ほとんど通えていない状況であるならば、全日制高校に入学しても、また不登校になってしまうかもしれません。お子様の高校からの生活に期待する気持ちもわかりますが、全日制高校よりはハードルが低く学べる通信制高校を選択して、お子様なりの「等身大のリスタート」をさせてもいいのではないでしょうか。最終的には、お子様自身で決めない限りは、入学した後に悪い結果につながってしまうかもしれません。まずはお子様自身に決めさせて、最終的には「なぜ通信制高校に行きたいのか」に対する納得できる理由があるか判断しましょう。

▊選んだ学校にこれだけは聞いて確認した方がよいこと

【通信制高校の現役先生から聞いた、これだけは必ず聞いて確認した方が良いポイント!マッチしているか聞いてみよう!】
各校によって、サポートの内容は異なります。保護者の目線から、必ず事前に確認しておきましょう。

◆①生徒とどのように関わってくれますか?
親子揃って行くのが最善ですが、最初は入学者本人、保護者のどちらかだけが行くことも多いです。実際、通信制高校に入学した3,4割は、最初は保護者だけで参加しています。その場合多くは、「次は本人を連れてきます」という流れになることが多いです。やはり本人が一緒に来て、自分の目と肌で色々と感じてみることで自分に合う学校かどうかが分かり、マッチングの精度が高まります。合同説明会は保護者だけでも問題ありませんが、学校主催の説明会・体験授業は、入学されるご本人が体験する必要があります。

◆②自学自習を、どのようにサポートしてくれますか?
親子揃って行くのが最善ですが、最初は入学者本人、保護者のどちらかだけが行くことも多いです。実際、通信制高校に入学した3,4割は、最初は保護者だけで参加しています。その場合多くは、「次は本人を連れてきます」という流れになることが多いです。やはり本人が一緒に来て、自分の目と肌で色々と感じてみることで自分に合う学校かどうかが分かり、マッチングの精度が高まります。合同説明会は保護者だけでも問題ありませんが、学校主催の説明会・体験授業は、入学されるご本人が体験する必要があります。

◆③レポートは見てくれますか?
レポートのチェック頻度は、お子様の学習の定着に深く関わってきます。レポートをきちんとチェックしてくれるかどうか、確認しておきましょう。

◆④メンタルサポートや定期面談は?
メンタルサポートまでしてくれるのか、定期面談の頻度はどのくらいかなど、お子様にとってベストなサポート体制があるかどうか確認しておきましょう。

※なお、近年普及しているオンラインタイプの学校説明会を選ぶと、自由に質問ができないことが多いため、注意が必要です。個人的に質問をしたい保護者の方は、対面形式の学校説明会に足を運びましょう。(オンラインでも個別相談が可能な学校もあるので、事前に調べておきましょう。)

▊通信制高校からの進路

通信制高校には、大学受験を希望する生徒が多く、進学実績も豊富です。近年では、大学受験に特化した教育を実施し、大学進学のための面接練習や、小論文の書き方の講習まで行う進学コースが設置されるなど、通信制高校の教育体制が整備されたことにより、「不登校からの大学進学」が現実的なものになりました。また、留学する人も多いです。語学習得のために本気で海外に行きたいという方もいますが、新しい場所で、新しい環境で、人生をいい意味で ”リセット” させるために留学する人も多いです。さらに、指定校推薦枠を持っている通信制高校もあるので、行きたい大学があるならば、その大学の指定校推薦を行っているか、入学前にチェックしましょう。通信制高校にも、学力的な偏差値勝負だけではない進学方法もあるのです。

◆通信制高校からの進路の実例
通信制高校では、時間が自由に使える分、色々なことにチャレンジできます。卒業を目標にしている人の多くは、「スポーツ、芸能、芸術など将来の夢を追いながら、保険として高校卒業資格を取得する」という目標を持った生徒です。

▊まとめ

お子様は幼く、自分一人では、必ずしも正しい選択をできるとは限りません。保護者からの助言や、協力が必要な時期です。お子様と対話の機会を作り、お互いの意見を正直に交換できる環境作りをして、お子様の現状をしっかりと把握した上で、進学先を選びましょう。お子様の意見を尊重し、寄り添ってあげることで、お子様の未来にプラスになる学校選びをすることができるでしょう。