高校には、学年制と単位制の二つの仕組みがあります。基本的には、全日制高校・定時制高校では学年制、通信制高校では単位制が採用されています。では、通信制高校で採用されている単位制とは、どのような仕組みなのでしょうか?このページでは、単位制の仕組みから、単位制と学年制の違いまで詳しく解説します。
通信制高校の「単位制」の仕組みとは?学年制との違い
まず、全日制高校・定時制高校は「学年制」、通信制高校は「単位制」と、制度に違いがあります。学年制は、1年生、2年生、3年生と、1年毎に進級して、3年生を修了すると卒業できます。1年を通して、一定の成績や、規定された出席数を満たしていない生徒は、進級できずに留年となります。一方、単位制は、学習が定着した場合に認められる単位を、所定分修得すると卒業できます。一般的な大学と同じ制度です。もし学習が上手く進まず、単位を修得できなくても、その単位を再修得すれば良いので、留年はありません。全日制高校と通信制高校に共通する、絶対的な卒業要件が1つだけあります。それは、”3年間の在籍”が必要であることです。学校教育法により、「高校を卒業するためには、全課程共に3年以上の在籍期間を満たしている必要がある」と定められているため、”3年間の在籍”は必須なのです。また、通信制高校は一般的に74単位を取得すると卒業できますが、全日制高校は250単位程度必要になります。このように、通信制高校では取得すべき単位数が少ないので、自由に使える時間も多くなります。余った時間を使って、「自分がやりたいこと」をする余裕ができるのです。
単位制はどんな人に向いている?
単位制は、学年制にはないメリットがあるため、便利で自由な高校だと感じる人も多いでしょう。では、単位制、すなわち通信制高校は、どんな人に向いているのでしょうか?
▊自分のペースで勉強したい人
通信制高校は、自分のペースで勉強をしたい人に向いています。単位制は学年制とは異なり、1年間で修得しなければならない単位数が決まっていないので、自分のペースで勉強を進めることができます。自学自習が中心で、周りとの比較をされることもないので、勉強に関連するストレスも比較的少ないです。
▊学ぶ分野を選びたい人
通信制高校には従来の全日制高校の様な一般科目に加え様々なコース(専門科目)があり、学べる専門分野は多岐に渡ります。近年は、専門的に学べる分野が細分化されており、「より専門的に、より深く」学べるようになってきています。例えば、大学進学や英語などの学習系分野、声優や音楽などの芸術系分野、アニメやデザインなどの制作系分野、美容やブライダルなどのサービス系分野、プログラミングや情報処理などのIT系分野などがあります。専門的な分野を深く学習することで、高校生のうちに「将来に直結する知識」を身に付けることができます。そのため、「高校では、自分で勉強する分野を考え、選びたい!」という人には、単位制である通信制高校がおすすめです。
▊学校に縛られずに生活したい人
通信制高校では、時間や場所を選ばずに勉強することができます。オンラインでの授業を受けて、インターネットを通してレポートを提出して、単位認定試験の時だけ登校するなど、「通学」がほとんどない通信制高校も多くあります。そのため、通信制高校は、学校に縛られずに生活したい人には非常に向いていると言えるでしょう。 極端な話、スクーリングさえ参加出来れば、世界中のどこからでも通信制高校に通うことができます。
▊他にやりたいことや、追いたい夢がある人
勉強の他にやりたいことや、将来に向けて追いたい夢がある人にも、単位制である通信制高校が向いています。通信制高校を選べば、全日制で必須となる通学・登校に使う時間を、他の活動のための時間として自由に使うことができます。そのため、バイトやインターンをしながら、スポーツに励みながら、芸能活動をしながらなど、様々な活動との両立が可能です。学校での勉強だけに拘束されずに、勉強以外のことにも夢中になれる環境が整えやすいです。
まとめ
単位制の仕組みと、単位制と学年制の違い、単位制が向いている人について詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?単位制の主なメリットは、学校に縛られることなく、時間に自由が生まれることです。単位制ならではのメリットを活かして、大切な時間を有効に使えると良いですね。