通信制高校に興味を持ち始めると、その実態についてどんどん興味が湧いてきますね。「通信制高校にも制服はあるの?」「修学旅行や文化祭などの行事やイベントはあるの?」「どんな方法で、何を学べるの?」など、よりリアルな部分が気になってくる人も多いでしょう。では、実際の通信制高校での生活はどのようなものなのでしょうか?ここでは、通信制高校での学校生活や、校則、行事、友人関係についてなど、「通信制高校のいま」をご紹介します。
▊通信制高校に通う高校生の生活リズム
通信制高校に通う高校生の勉強方法は、簡単に説明すると「①自学自習→②レポート提出→③スクーリング→④テスト」というサイクルです。自学自習を基本として、卒業に必要な単位は「レポート提出・スクーリング・テスト」を繰り返し行うことで取得します。
①自学自習
通信制高校に通う生徒の学習は、自学自習が基本となります。学校から配布されるテキストやインターネットテキスト・ネット動画などを用いて、自分のペースで勉強を進めます。
②レポート提出
レポートは、学習理解度の判断材料となります。レポートを作成し、ネットや郵送で提出もしくは登校した日に直接先生に提出します。提出後は先生がチェックしてくれたものが返送されてくるので、チェック項目を見直しして、勉強した内容を定着させていきます。学校のカリキュラムやコースにもよりますが、1ヶ月で提出するレポートの数は4〜8回程度で、多くても週に2回程度です。
③スクーリング
学校に通い、先生から直接指導を受けることをスクーリング(Schooling)といいます。 自学自習を進める中で、わからない部分が出てきたり、レポートが上手くできなかったりすることも多くあります。スクーリングは、そのような「一人では解決できないこと」を解消できる良い機会です。スクーリングの登校頻度は学校によって異なり、最も少ないところで年間4日、多いところは毎日行っています。スクーリングの頻度は、通信制高校に通う上で重要な要素なので、自分に合った登校頻度の学校を選ぶと良いでしょう。スクーリングの内容としては、 教室で行う「一斉授業」や、先生とマンツーマンで学習をする「少人数・個別指導」、体育や美術のような実技を伴う授業などがあります。
④テスト(単位認定試験)
通信制高校の主なテストは「単位認定試験」と呼ばれています。全日制高校で行われる中間試験や期末試験といった定期考査に相当するものです。単位認定試験は、高校卒業資格の取得に必要な「単位」を修得するための最終テストとなっています。ほとんどの通信制高校では年に1回なので、試験範囲は全日制高校の試験よりも圧倒的に広いのが特徴です。自習やレポート、スクーリングで学んだことが学力として定着しているかどうかを確認するための試験ですが、主な出題元(試験範囲)はレポートからです。レポートをしっかりと取り組んでいれば、比較的容易に解ける内容になっています。
▊通信制高校の行事・イベント
通信制高校には、全日制・定時制高校と同様に、様々な行事やイベントがあります。学校行事の多さは各高校によって様々なので、行事やイベントの多さや種類を基準として高校選びをしても良いでしょう。入学式や卒業式はもちろんのこと、修学旅行や文化祭、体育祭などがある通信制高校も多いです。学校行事やイベントは、普段はあまり関わらない人とも仲良くなれる良い機会ではあります。しかし、あくまで任意参加の学校が多いので、学業以外の活動が忙しい人や、自分のペースで過ごしたい人は、参加しなくても問題ありません。気をつけなければならない点として、通信制高校によっては、学校行事への参加が「高校卒業のための単位」として認められるケースもあり、積極的に参加した方が良い場合もあります。これらは希望に合わせて、事前によく確認しておきましょう。
▊通信制高校に制服はあるの?
通信制高校の中には制服がなく私服のところもありますが、制服が用意されているところも多くあります。「制服を着たい!」という希望を叶えてくれる通信制高校が、全国各地にたくさんあります。こういった学校は、洋服のコーディネートを考えるのが面倒な人にも向いているでしょう。「自由な服装で登校したい!」という人は、制服がない通信制高校がおすすめです。中には、制服が準備されている上で、「服装自由」の通信制高校もあります。その形式を採っている通信制高校は、制服を着ている人もいれば、私服の人もいる状態です。制服を購入しておいて、その日の気分によって制服と私服のどちらにするか選ぶ人も多いです。
▊通信制高校の校則は少ない!
通信制高校の校則は、全日制や定時制の高校よりもゆるやかであることが多いです。特に目立つ規則はなく、生徒自身の主体性を尊重してくれます。全日制高校では禁止されていることが多い、派手な髪色や化粧、学校内でのスマートフォンの使用、アルバイトなども、通信制高校では特に規制されていません。このように、通信制高校の校則はゆるやかで、生徒の自由度は高い一方で、マナーやモラル、礼儀などについてはきちんと指導してくれます。通信制高校に通っても、卒業後に社会人として必要な教養は、しっかりと身に付けることができます。
▊通信制高校で友達ってできる?
登校日数が少ない通信制高校では、コミュニケーションが取れる機会は限られています。しかし、そういった学校では、放課後のクラブ活動、文化祭やスポーツ大会、修学旅行など、生徒同士で交流するイベントをたくさん準備されている場合が多いです。このようなイベントをきっかけとして、友達と一つのことに取り組むことで、友情が深まっていきます。最近では全日制と変わらず週5日登校する通信制高校も増えていますので、自然と友達ができる環境です。
▊まとめ
通信制高校でのリアルな生活について詳しくご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?通信制高校での生活リズムは、自学学習、レポート、スクーリングの繰り返しで非常にシンプルなので、すぐに順応することができるでしょう。校則もゆるやかで、生徒の自主性を重んじているので、自分の表現したいことを制限されることなく、悠々と生活することができるでしょう。また、友達ができるか不安な人は、週5日登校する通信制高校を選んだり、学校行事に積極的に参加したりすることがおすすめです。逆に、あまり人とは関わらずに過ごしたい人は、登校日数が少なく、イベントも任意参加である学校を選びましょう。